そんなirodori社がチーム化を進める中で大切にしてきたことはこの3つ。
一つは、自分にしかできない仕事を他のメンバーもできるようにしていく、チームで仕事をする個々のナレッジを組織の集合知にしていくということ。
二つ目は、一緒に仕事をするメンバーは、スキル以上に価値観を大事にするということ。
そして三つ目が、長期的視点で事業を捉え、新しい価値を創造していくということでした。
それを概念図で表すとこんなイメージになります。
他のメンバーも同じ仕事ができるように、個々のナレッジを組織の集合知にしていくためのチームの基盤のハード面を整えること。さらに、その整ったハード面を使いこなすチームメンバーひとりひとりの「人」の心と丁寧に向き合うこと。そうして、ハード面とソフト面を整えたからこそ生まれる余白で次の新たな価値の創造をしていくこと。
経営トップだけではなく、チームメンバーそれぞれが自分の仕事でこの循環を意識すると心豊かに生産性が上がり事業は飛躍、売上げも収入も増え事業が成長していくことにつながっていくのです。
STEP
1
ハード面を整える
個々の仕事のナレッジを
組織の集合知にする
個人で起業したばかりの頃は、「自分にしかできないことを仕事にしたい」という想いもあったりするもの。「私にしかできないこと」に価値があり、「私にしかできないこと」を提供することで喜んでもらえることに起業した喜びを感じていた起業初期のフェーズは、私自身にもありました。
でも、それも時間や売上が頭打ちになってくると、次のステージに進むためには、この「自分にしかできないこと」をいかに他の人もできるようにしていくかというそれまでとはまるで反対の視点で整えていくという作業が必要になってくるのです。
これは、一見なんだか自分の価値が損なわれてしまうように思いがちですがそうではありません。
自分がやっていた仕事を他の人もできるかたちにして渡していくことで、本当に自分にしかできないことや、よりその中でも自分が特化するべきところがさらに研ぎ澄まされていくことなる。
同じように、他のメンバーも個々のナレッジを組織の集合知にして、マニュアル化や仕組み化を進めてハード面を整えていくことで、事業全体の自転車操業を脱していくことができるようになっていきます。チーム化を進めるためには、まずここに着手していくことが不可欠なのです。
STEP
2
ソフト面を整える
スキル以上に価値観を大事にする
ハード面を整えた上で、次に大切になってくるのが、そのハードを使いこなす「人」。
私たちは一緒に仕事をする人を選ぶとき「どんなスキルを持っているか」、即戦力として「使えるか」という視点を重視しがちです。
だけどこれだと、チームの「人」の繋がりが機能やスペックで繋がる関係になりがち。機能的な「条件」が合わなくなると離れていくことになります。
スキルや経験値は仕事を重ねれば後から成長してついてくるもの。
それよりも私がずっと大切にしてきたことは、どのような価値観のどんな想いを持った「人」がそれらのハード面やスキルを扱っていくのかということなのです。同じ価値観を共有し、同じビジョンを見られる人であるかどうかによって、同じ仕事でも、どんな視点を持ち、どのような気持ちでその仕事をするかが変わってきます。それにより個々のメンバーが主体的に走ることができるようになり、仕事の質も働くメンバーの心の豊さも変わっていくのです。
だからこそ、この働き方を大切にするためには、メンバーそれぞれの、深いところにある「本心」と丁寧に向き合い、整え育んでいくことが欠かせません。
事業に関わるメンバーの人数が増えれば増えるほど、人の数だけ「心」の数が増えていきます。
事業の成長を見据えるからこそ、一見遠回りに見えるこの部分を丁寧に整えていくことが、後伸びにつながっていくのです。
STEP
3
実行力を磨き新価値を想像する
長期的視点で事業を捉え、
新価値創造していく
こうしてハード面とソフト面が整ってくると、自転車操業だった状態から抜け出し、新たな余白を生むことができるようになります。その余白ができて初めて、事業を次へ成長させていくために、未来に向けて必要な新しい価値を生み出していくことができるようになるのです。
ハード面を整えてきたからこそ、他のメンバーも業務を進めることができる。
ソフト面を丁寧に整えているからこそ、メンバーひとりひとりが、主体的に自分ごととして事業に携わり自分から動いていくようになる。
そんな状態を築いていくことが事業の成長へと繋がる余力を生み出すことになっていきます。