ブランディングを学ぶ
ビジネスにおいて欠かせない!機能価値と情緒価値とは?
今回は、「ブランディングを支える6つの視点」の中でも特に大切な「機能価値」と「情緒価値」について深掘りしていきます。
「ブランディングを支える6つの視点」については、前回の記事でご紹介していますので、詳しくはこちらの記事をチェックしてみてくださいね。
「機能価値」と「情緒価値」は、それぞれ以下のような定義でしたね。
機能価値:
商品・サービスの機能や品質によって得られる価値のこと
情緒価値:
商品・サービスを所有・利用することで得られるポジティブな感情、心理的・精神的な価値のこと
両方が有機的に機能することで、ブランディングの効果を最大限に発揮できるようになります。
目次
機能価値と情緒価値の違いとは?
機能価値と情緒価値、この2つの対照的な価値について、スマートフォンを事例に掘り下げてみましょう。
一昔前までは、ガラケーと呼ばれる、折りたたみ形式の携帯電話が主流でしたよね。
その後、電話だけでなくインターネットにアクセスできるスマートフォンが登場し、人々の生活を変える画期的な商品として衝撃を与えました。
2007年のiPhoneの発売をきっかけに、世界的に普及したと言われています。
この、ガラケーからスマートフォンへの移行は、スペックだけでもかなり大きな変革だったはずです。
でもその後、Apple以外のメーカーも追いつけ追い越せで開発を進め、すぐに同じようなスマートフォンが発売されました。
つまり、”機能”はすぐに追いつかれてしまうし、誰かに真似をされる可能性もあるんです。
今ではiPhoneだけではなく、Android端末など他社製のスマートフォンもたくさん世の中に出回っています。
それでもやっぱり、「iPhoneが好き!」という根強いファンは多いですよね。
それだけ、iPhoneが特別なポジションを獲得しているということ。
ではなぜ、そのポジションに居続けられるのでしょうか?
それは、iPhoneが”情緒価値”を提供しているから。
「iPhoneを使うと、なんだかおしゃれになったような気分!」
「iPhoneユーザーはクリエイティブなイメージだから、私もそんな風になりたい!」
iPhoneを使ったり触ったりすることで、どんな自分になれるのか、そしてどんな気持ちにさせてくれるのか。
機能的には他のスマートフォンと変わらないのに、iPhoneでしか満たされない”気持ち”があるんです。
それこそが、情緒価値です。
つまりユーザーは、iPhoneを使っている時の高揚感、持っているだけで感じられる幸せな気分、ここに価値を見出して、購入しています。
機能価値と情緒価値、必要不可欠なのはどっち?!
機能価値と情緒価値、この2つの相互作用が大切なのはもちろんですが、商品において絶対的に不可欠なのは、実は”情緒価値”なんです。
スマートフォンの話からも分かる通り、機能はどうしても他社に追いつかれてしまいます。スマートフォンという、世の中を変えるほどの画期的なイノベーションでさえもそうです。
その意味でも、機能だけで差別化をしていく大変さは、簡単に想像できますよね。大企業でも難しいとなれば、個人のスモールビジネスにおいて、機能面で差をつけるのは至難の業。
一方で情緒価値は”想い”や”気持ち”がベースになっているので、差別化につながる独自の価値をつくることが可能です。
前回の記事で、”ターゲットなくしてブランディングは成し得ない”というお話をしました。
まずは自分が想定するターゲットに、どんな気持ちを与えるのか?どんな感情を抱かせるのか?を考えることが、情緒価値をつくる一歩となります。
ナチュラル・ブランディングの機能価値と情緒価値とは?
私たちが提供しているナチュラル・ブランディングというサービスにも、もちろん機能価値と情緒価値があります。
より理解を深めていただくために、私たちのサービスを事例に考えてみましょう!
ナチュラル・ブランディングでは、ブランディングを通して、ビジネスにおける集客や売上を改善するお手伝いをしています。
でも、集客や売上アップのコンサルサービスって、世の中に溢れていますよね。
そんな中で私が打ち出しているのは、”自然体のままで売れる”というコンセプト。”自然体”というキーワードに惹かれた方達が集まってくれています。
まさにこの、”自然体のままで”というコンセプトが、情緒価値に当たるんですね。
無理に煽ったり、必死に頑張り続けるようなビジネスではなく、
”肩の力を抜いて、自分らしくビジネスをしたい”
そう思っている方が、他にはないサービスとして価値を感じてくださっている。情緒価値はブランディングにおいてとても重要なんです。
では、機能価値はどうでもいいのか?というと、そういうわけではありません。
機能価値と情緒価値は、以下の三角形の図のように、「機能価値という土台の上に、情緒価値が乗っている」という関係性で成り立っています。
例えば、iPhoneがどれだけカッコよくてセンスが良いデザインだったとしても、スマートフォン自体の機能が果たせていない、動く不良品だったとしたら……
欲しいとは思わないですよね。
つまり、情緒価値がどんなに素晴らしいものであっても、機能性がなければそのものの価値は見出してもらえないということ。
私のサービスも、”自然体”というコンセプトに惹かれたからと言って、売上も集客も変化しなければ、そもそも機能を果たしていないですよね。それでは、お客様は価値を感じてくれません。
あくまでも、ベースとして機能価値があって、その上で情緒価値が発揮される。
そんな構造で成り立っていることを覚えておいてくださいね。
今日の記事を、動画で観たい、復習したいという方は、こちらをご参照ください。