ブランディングを学ぶ
マーケティングファネルに最適なアクションとは?戦略的にアプローチしよう
前回のコラムでは、”マーケティングファネル”というフレームワークについて解説しました。マーケティングファネルとは、お客様が購買に至るまでの行動を、フェーズごとに分けたもの。認知(Attention)、興味関心(Interest)、比較検討(Search)、購入(Action)、共有(Shere)という順番で進んでいきます。
では実際に、それぞれのファネルに対して、どのようなマーケティング活動が適しているのでしょうか?具体的な戦略を考えていきましょう。
目次
マーケティングファネルに適したアクションをしよう
まず最初の段階は、「認知」です。そのときにすべき行動は、直接人に会って伝えたり、「こういうサービス・商品があるんだよ」と誰かの口コミで広めてもらうこと。そしてもう1つ重要なのは、SNSやブログ、Youtube、広告など、Webを通じて知ってもらうことです。
そうして認知されたら、より興味をもってくれた人に、詳細な情報を伝えて「興味関心」を育てます。
この段階で相性の良いツールは、メルマガや公式LINEです。これらは、”登録者に確実に情報が届く”という点で、最も興味関心を高めてもらいやすいツールと言えます。
ブログやYoutubeは、認知の入り口としての役割だけでなく、過去に投稿された記事や動画を遡って見ることで、興味を深めてもらうにも有効です。
十分に関心をもってもらえたら、次は「比較検討」に入ります。ここで必要になるアプローチが、”フロント商品”の提供です。つまり、体験ができる場ということですね。1DAYセミナーやワークショップ、個別相談会などがフロント商品にあたります。
この体験で納得してもらえたら「購入」に進み、最後は「共有」するフェーズ。実際にサービスや商品を利用した人が、レビューをしたり、個人のSNSで感想などを発信してくれることで、また別の人が認知するという好循環が生まれます。
フロント商品はなぜ必要?本命の商品を購入してもらうための秘訣とは
クライアントさんをみていると、「比較検討」へのアプローチが抜けていることが多いという印象を受けます。でも、この比較検討の機会、つまりお試し商品や体験の場がないままに最終的な本命商品・サービスのオファーをされたら、どうでしょうか?
「本当にこれでいいのかな……?」と確信がもてず、決心がつかないという経験が一度はあるのではないでしょうか。”お試し”ができるだけで、本命商品を購入する可能性は格段にアップするんです。
いきなり商品を売ろうとしてもなかなか売れないのは、大企業も同じ。いかにトライアルをしてもらうかということに注力しています。
例えば、某パーソナルトレーニングジムは、美しく減量したモニターのBefore→Afterの実績も大々的に公開し、インパクトのあるCMで視聴者の興味を惹きつけています。でもここで、「本当に自分にも効果があるの?」という不安が生まれますよね。そこで、突然コースに申し込むのではなく、まずは”無料カウンセリング”で、具体的なプログラムや自分に合うかどうかを確認できるシステムになっています。
他にも、健康食品や化粧品は、”1ヶ月無料セット”や、”半額トライアルキット”など、お試し価格で提供しているものが多いですよね。価格は利益度外視になっていますが、実際に使ってもらう体験こそが、その後の購入につながることを理解しているからなんです。
さらに今は、「ペットを飼う」ことに対しても、”お試しサービス”があります。例えば犬を飼いたいと思ったら、数日間一緒に生活して、実際に飼ったときの不安を解消できる。一緒に過ごすうちに犬への愛着も湧くので、そのまま家族として迎え入れるケースが多いのだそう。
いかに”体験する”というアクションが大切か、お分かりいただけたでしょうか。ぜひフロント商品を作ったり、見直したりしてみてくださいね。
然るべきアクションができている?マーケティングの現状を把握してみよう
では実際に、あなたのビジネスにおけるマーケティング活動の進捗をチェックしてみましょう。
Check Point 1
■AISAS(認知→興味関心→比較検討→購入→共有)の順番で設計されているか?
この流れができていれば、お客様がスムーズに進むことができるので、購入の可能性が高まります。
Check Point 2
■マーケティングファネルに沿った適切なアプローチができているか?
「認知」の段階と、「比較検討」の段階でとるべき行動は違いましたよね。それぞれのフェーズに合ったアクションをすることが、お客様との信頼関係を構築する上で重要です。
Check Point 3
■アクションの量が足りているか?
AISASの流れに沿って行動をしているのに、「お客様が来ない」という場合は、その”量”が少ないのかもしれません。例えば、ブログを月に1回しか更新していないとしたら……認知してもらうのに十分とは言えませんよね。お客様に届けるために、アプローチの数は足りているのか?という視点でも、振り返ってみてください。
おわりに
いかがでしたか?マーケティングファネルを理解すると、とるべき行動が整理されて、戦略も立てやすくなりますよね。自分のビジネスの現在地を確認して、マーケティング活動のブラッシュアップに役立ててみてください。
次回は、市場における価値を見い出すための基本のフレームワーク、「3C分析」についてお伝えします。