ブランディングを学ぶ
ブランディング構築の最終ステップ!一瞬でお客様の心をつかむ秘策とは?
今回は、「ブランドを支える6つの視点」のうち、”支える事実”と”シンボル”について解説します。
6つの視点とは、以下のことでしたね。
①パーソナリティ
②ターゲット
③機能価値
④情緒価値
⑤支える事実
⑥シンボル
前回は、ブランディングにおいて欠かせない、機能価値と情緒価値についてお伝えしました。詳しくはこちらをご覧くださいね。
目次
選ばれるために必要な、ブランディングの”支える事実”とは?
ブランディングを支える視点には、「支える事実」があります。
支える事実とは、”商品やサービスがお客様の問題を解決できる理由・根拠”、つまり、問題解決の裏付けとなるもの”です。
支える事実は、「自分自身のキャリアや実績、人生経験」と「実際に利用されたお客様の声」の2つに分類されます。
amazonなどでも、購入された方のレビューがありますよね。それが第三者であるお客様の声です。
では、なぜ「支える事実」が必要なのでしょうか?
私たちが消費者として何か購入するとき、「失敗したくない」という気持ちが少なからずあると思います。
「実際に買った人は、どんな結果を得ている?」
「買ってよかったと思ってるのかな?後悔はしてない?」
こんな風に思って、それを確認した経験はないでしょうか?
提供している会社がどんなところか気になって、販売元や製造元を調べたこともあるかもしれません。
それによって得られる情報が”支える事実”です。
ビジネスを始めたばかりの頃は、”お客様の声”はゼロですよね。その場合は、支える事実としてこれまでの実績やキャリアを伝えていくことが大切です。
私も起業した当初は、1人もお客様はいませんでした。サントリーでブランドマネージャーをしていたというキャリアをベースに、「私にはこんなことができます!」と伝えていく中で、その実績を評価してくださったのが最初のお客様です。
でも、自分の実績をただ伝えるだけでは「あなただからできたんじゃないの?」とお客様も不安になってしまいます。
自分はもちろん、”お客様も同じように出来ています”という第三者の客観的な声、つまり、再現性の高さを伝えることで、より説得力を高めることができます。
“キャリア・実績”と”お客様の声”、この2つをしっかりと見せていくことが、ブランドを育てる上でとても大事な視点です。
一瞬で心をつかむ、ブランディングの”シンボル”とは?
“ブランドを支える6つの視点”の最後は、「シンボル」です。
これは、商品のロゴやマークなど、ブランドを象徴的に表して目に見える形にしたもの。
“ブランドの価値は目に見えない”と説明してきましたが、シンボルとして視覚化されることで、ようやくお客様に見える形で提示することができます。
どんなに素晴らしいものであっても、価値が伝わらなければ意味がないですよね。価値を”見えるものに変換”することが、最後のステップとして重要です。
では、どんな風に見えるものに変換していけば良いのでしょうか?
商品・サービスの価値を伝えるときには、”言葉で伝える”ことも有効ですが、WEB上に情報が溢れている今の時代は、
”どれだけ良いことを書いていても、読んでもらえない”ということが、往々にしてあります。
だからこそ、文章を読まれなくても、一目で価値が伝わるようにする必要があるんです。
その役割を果たすのがシンボルです。シンボルは、「これ、何だろう?」とお客様の目に留まるきっかけになります。
私たちはこれを、「キービジュアル」と呼んでいます。キービジュアルは、WEBにおける、あなたの看板や名刺のようなもの。
WEB上に出した”お店”の存在を知らせるべく、見える形にすることで、まだ出会ったことのない人に興味を抱いてもらうのが目的です。
また、情報過多のWEB上では、長い文章を最後まで読んでもらえる可能性は低いです。そのため、一目見た瞬間に、独自の価値がわかる短いフレーズで伝えることが効果的。それがキャッチコピーです。
価値をコンパクトにわかりやすいキャッチコピーに変換し、それを視覚化したものが、キービジュアルなんです。
クライアントさんたちもこんな風に、それぞれ独自の価値に合わせて、キービジュアルを制作してきました。
シンボルをつくる上で、大切なことは?
私自身、起業したときに最初に取り組んだのが、シンボルとしてのキービジュアルの制作でした。
キービジュアルのおかげで、驚くほど好調にビジネスがスタートしたという経験から、シンボルはビジネスを左右する鍵になると考えています。
クライアントさんの商品やサービス、そして本人の個性も異なるので、それぞれの魅力を引き出しながら、オリジナルの価値を可視化しています。
ただ、このキービジュアル、実はそんなに簡単につくれるものではないんです……
キービジュアルは、これまでシリーズでお伝えしてきた、”ブランドを支え6つの視点”をクリアした上で、最後に見える形にしたもの。そのため、制作期間は最低でも3ヶ月程度かかっています。
最終形のシンボルとして可視化するためには、この6つの視点を1つひとつ丁寧に深掘りして、定義していくプロセスが欠かせません。
そして、この6つの視点のバランスがとれていることで強いパワーを発揮するので、
「一貫性があるか?」
「全てにおいて整合性がとれているか?」
そんなことをチェックしながら、一番最後に、コアバリューを表すキャッチコピーと、商品・サービスの顔となるシンボルをつくり上げていきます。
手がけたキービジュアルを見て、「私もつくりたい!」と言ってくださる方も多いのですが、その裏では、この6つの視点を丁寧に考え抜いて、緻密に設計しているんですね。
それだけ、どれも欠かせない重要な視点なんです。
この機会にぜひ、自分のブランドの6つの視点は何だろう?ということを、改めて考えて、整理してみてくださいね。
おわりに
いかがでしたか?ブランディングの基礎として、ブランドを支える6つの視点をシリーズでお伝えしてきました。
何か課題にぶつかったときは、この6つの視点で振り返ってみてください。全てが整ったときには、訴求力のある強いブランドに育っているはずです。
今日の記事を動画で復習したいという方は、こちらをご参照ください。