ブランディングを学ぶ
ビジネスは「なぜ?」から始まる!ブランディングを支える6つの視点とは?
前回のコラムでは、意外と知らないブランディングの注意点についてお伝えしました。詳しくは、こちらの記事をチェックしてみてください。
ブランディングとは、ターゲットとなるお客様の心の中に”好き”という気持ちを育んでいく活動でしたね。
ブランドの価値は、心の中につくるイメージなので、目には見えないんです。だからこそ、言葉で定義していくのがとても大事だということをお伝えしました。
では、「言葉で定義する」とは具体的にどのようにすれば良いのでしょうか。
今回のテーマである”ブランディングの6つの視点”を意識しながら整理すると頭の中がクリアになりますので、1つずつ解説したいと思います。
ブランドを支えるのは、以下の<6つの視点>です。
1.パーソナリティ
2.ターゲット
3.機能価値
4.情緒価値
5.支える事実
6.シンボル
この6つが蜂の巣のように連結することで、強いパワーを発揮します。この形をイメージしながら、それぞれの視点について考えていきましょう。
目次
パーソナリティとは?
まず1つ目にお伝えするのは、”パーソナリティ”です。このパーソナリティは”WHY”で表すことができます。
つまり、「何のためにこのビジネスが存在するのか?」ということです。
ナチュラル・ブランディングでは「ビジネスはWHYから始まる」とお伝えしているほど、動機の部分に重きを置いています。
最初にWHYを考える理由は、「なぜ、このビジネスをするのか?」という想いに、その人のパーソナリティが凝縮されているから。
パーソナリティを単にキャラクターと捉えるのではなく、「どんな想いや価値観をもっている人なのか?」ということを伝えるために、WHYを掘り下げることが大切なんです。
特に個人でビジネスをしていると、商品・サービスと自分自身が密接なので、ブランドのパーソナリティが自分と一致している場合が多いですよね。
でも私がサントリーに勤めていた時に担当していたビールや酎ハイは、自分とは別の存在。商品自体に人格はないですが、ブランディングの視点で捉えると、「この商品がもし人だったら、どんなパーソナリティだろう?」と考えるんです。
この商品はどんな想いで生まれて、どんな性格なのか、それを言葉にすることで、商品にも人格が備わります。そうするとより身近に感じたり、愛着が湧いたりしますよね。
ぜひ、「なぜこのビジネスをしているのか?」という根っこの想いを掘り下げて、言語化してみてください。
そして、それを伝えることが大事です。自分の心の中にあるだけでは、相手には伝わりません。言葉にして、アウトプットしていきましょう。
ターゲットとは?
ブランドを支える視点の2つ目は、”ターゲット”。「誰に届けるのか?」ということです。
ブランディングは、ターゲットなくしては始まらない、と言っても過言ではありません。なぜなら、万人に評価されるブランドは存在しないからです。
Aさんにとってはすごく価値があるけれど、Bさんにとっては全く興味がない。そういうものは、世の中にたくさんありますよね。
イメージしやすいハイブランドを例に挙げると、プラダが好きな人がいれば、シャネルが好きな人もいる。プラダが好きだからといって、その人が必ずしもシャネルに興味があるとは限りません。
その場合、シャネルは”その人にとってのブランド”にはならないんです。
人にはそれぞれ好みがあるので、万人に評価されることはあり得ません。だからこそ、「誰にとって価値があるのか?」を考えるのがブランディングのスタートです。
その意味でも、ブランディングにおいてターゲットは外せない重要な要素。同じ商品・サービスでも、ターゲットが違うだけでブランドの価値は180度変わってしまいます。
自分の商品・サービスに価値があると感じてくれる人は誰なのか?
自分が届けたい人は誰なのか?
そんな視点で、あなたにとってのターゲットをじっくりと考えてみてください。
機能価値と情緒価値とは?
ブランドを支える視点の中でも特に重要なのが、”機能価値”と”情緒価値”です。
サントリーに入社して、ブランドマネージャーになりたての私が上司から言われたのは、こんな言葉でした。
「私たちはものづくりではなくて、価値づくりをしているのよ」
ブランドは”価値”を軸に考えますが、その中にも”機能価値”と”情緒価値”という2つの種類があるんです。
機能価値とは言葉の通り、商品・サービスの機能によって得られる価値のこと。スマートフォンで例えると、電話をかけられたり、インターネットに繋いで検索ができるといったスペックを指します。
それに対して情緒価値とは、その商品・サービスを所有・利用することで得られるポジティブな感情、心理的価値のこと。この商品を持つことで、どんな気持ちになるか?というところに情緒価値があります。
この2つの価値の両方が有機的に機能することで、ブランディングの効果を最大限に発揮できるようになります。
おわりに
いかがでしたか?ブランディングには、それを下支えする”6つの視点”があることをお伝えしました。まずはパーソナリティ、ターゲットを掘り下げて、言語化するところから始めてみてくださいね。
次回は、6つの視点の中でも特に重要な、機能価値と情緒価値について、それぞれより詳しく紐解いていきます。ナチュラル・ブランディングにおける具体的な機能価値と情緒価値についても解説していきますので、ぜひご覧ください。
今日の記事を、動画で観たい、復習したいという方は、こちらをご参照ください。